1ヶ月で合格!一陸技初心者の解法5 無線工学B(平成30年1月期)

平成30年7月期 計算問題
ビームアンテナの電力半値幅と指向性利得
平成30年1月期 A-3
この問題は式が与えられているので、その式で求めた物をdBに変換してあげるだけでOK
\begin{align} G_{\mathrm{d} }=\frac{4\pi }{\theta_{\mathrm{E} } \theta_{\mathrm{H} } } &=\frac{4\pi }{2\times \frac{\pi }{180} \times 2.5\times \frac{\pi }{180} } \\& =\frac{4\pi \times 180^{2}}{5\pi^{2} } \\& \doteq 0.8\times 10^{3} \end{align}
これをdBで求めると
\begin{align} G_{\mathrm{d} \mathrm{d} \mathrm{B} }&=10\log G_{\mathrm{d} } \\& =10\log \left( 8\times 10^{3}\right) \\& =30\log 2+30\log 10 \\& =39\ [\mathrm{d} \mathrm{B} ] \end{align}
答えは3
二つのアンテナによる合成電界強度
平成30年1月期 A-4
この問題は微小ダイポールと半波長ダイポールアンテナの電界強度を求める式を覚えておけば求められる。
$$E_{\text{微小} }=\frac{\sqrt{45P} }{d} $$
$$E_{\text{半波長} }=\frac{7\sqrt{P} }{d} $$
以上の比 \(E_{1}/E_{2}\)を求めろと言っているので
$$\frac{E_{1}}{E_{2}} =\frac{\sqrt{45} }{7} =\frac{3\sqrt{5} }{7} =\frac{3\times 2.24}{7} \doteq 0.96$$
答えは4
アンテナの相対利得と実効面積の値
平成30年1月期 A-5
$$A=0.13\lambda^{2} G $$
まず波長 \(\displaystyle \lambda =\frac{3\times 10^{8}}{150\times 10^{6}} =2 \)
次に相対利得を真数にすると \(G=10\)
そしてアンテナの実効面積$$A=0.13\times 2^{2}\times 10=5.2$$
答えは5
給電線の電圧透過係数
平成30年1月期 A-6
私は初めこの問題は複素数があり数学嫌いの私には絶対に面倒くさい計算問題だよな。時間がかかりそうだから後回しにしよう。との先入観から最初は避けていたが、よく見てみると公式に当てはめて有理化すれば簡単に答えが出ることが分かった。複素数やlogの計算を避けている人が結構いるとの情報はあるが、この一陸技の問題に関しては簡単なものしか出題されていないのでサラッと勉強しておくことをオススメする。
$$T=\frac{2\dot{Z_{\mathrm{R} }} }{\dot{Z_{\mathrm{R} }} +Z_{0}} $$
\begin{align} &=\frac{2\left( 25+j50\right) }{25+j50+75} \\&=\frac{50+j100}{100+j50} \\&=\frac{1+j2}{2+j} \\&=\frac{\left( 1+j2\right) \left( 2-j1\right) }{\left( 2+j\right) \left( 2-j\right) } \\&=\frac{2-j+j4-j^{2}2}{2^{2}-j^{2}} \\&=\frac{4+3j}{5} \\&=0.80+j0.60 \end{align}
答えは5
同軸線路の特性インピーダンス
平成30年1月期 A-7
この同軸線路の特性インピーダンスの式は平成30年7月期A-8でも使用されている。
$$Z_{0}=\frac{138}{\sqrt{\epsilon_{r} } } \log \frac{D}{d} $$
- 内部導体の外径が2[mm]、外部導体の内径が16[mm]なので
\(\begin{align} Z_{0}=\frac{138}{\sqrt{\epsilon_{r} } } \log \frac{16}{2} =\frac{138}{\sqrt{\epsilon_{r} } } 3\log 2=75 \\ \\ \frac{138}{\sqrt{\epsilon_{r} } } =\frac{75}{3\log 2} \ \ldots \left( 1\right) \end{align}\) - 次に内部導体の外径は変わらず、外部導体の内径が半分になったときの特性インピーダンスは
\(\displaystyle Z_{0}=\frac{138}{\sqrt{\epsilon_{r} } } \log \frac{\frac{16}{2} }{2} =\frac{138}{\sqrt{\epsilon_{r} } } 2\log 2 \ \ldots \left( 2\right) \) - 式(1)を(2)に代入すると
\(\displaystyle \frac{75}{3\log 2} \times 2\log 2=50\)
答えは3
折り返し三線式半波長ダイポールアンテナ
平成30年1月期 A-10
三線式の半波長ダイポールアンテナの実効長は、半波長ダイポールアンテナの実効長の3倍
$$l=\frac{\lambda }{\pi } $$
初めに波長 \(\displaystyle\lambda =\frac{300}{300} =1\)
実効長 \(\displaystyle l=\frac{\lambda }{\pi } \times 3=\frac{3}{\pi } =0.96=96\ [\mathrm{c} \mathrm{m} ]\)
ちなみに \(\displaystyle \frac{1}{\pi } \doteq 0.32\)はよく使うので覚えておくと結構役に立つ。
答えは1
球面大地の見通し距離とアンテナ高
平成30年1月期 A-15
無線工学Bに関しては試験までの時間が全然なくて文章題はほぼ暗記になってしまったが、この問題は図が書いてあるので比較的ビジュアルに頼った暗記ができる。真面目に勉強して理解した上で解いている方には本当に申し訳ないが、この覚え方は本当にふざけているので事前にお知らせしときます🙏
以下のように選択肢の式の穴埋め部分を図に書いてイメージとして覚える方法…。
答えは3
衛星通信回線の受信電力等
平成30年1月期 A-16
無線工学Bは理解していない人(私を含む。)にとっては訳わからない式ばっかしでイメージが湧きにくく覚えにくいと思う。だが、覚えないと解けないので繰り返し計算問題演習をするしかない。
これも伝搬損失の式と地球局のアンテナの絶対利得を求める式が必要…
$$\Gamma =10\log \left( \frac{4\pi d}{\lambda } \right)^{2} $$
$$G_{\mathrm{T} }=P_{\mathrm{R} }-P_{\mathrm{T} }-G_{\mathrm{R} }+\Gamma $$
まず波長 \(\displaystyle \lambda =\frac{3\times 10^{8}}{10\times 10^{9}} =3\times 10^{-2}\)
静止衛星と地球局との距離36000[km]による伝搬損失
\begin{align} \Gamma =10\log \left( \frac{4\pi d}{\lambda } \right)^{2} &=20\log \left( \frac{4\pi \times 36\times 10^{6}}{3\times 10^{-2}} \right) \\& \doteq 20\log \left( 15\times 10^{9}\right) \\& =20\log \left( \frac{3\times 10}{2} \times 10^{9}\right) \\& =20\log 3+20\log 10-20\log 2+180\log 10 \\& =204 \end{align}
また、\(1\ [\mathrm{W} ]=0\ [\mathrm{d} \mathrm{B} \mathrm{W} ]\) との条件があるので送信電力をdBWに変換する。
$$10\log \left( 3\times 10^{2}\right) =10\log 3+20\log 10=25\ [\mathrm{d} \mathrm{B} \mathrm{W} ]$$
そしてANTの絶対利得は
\begin{align} G_{\mathrm{T} }&=P_{\mathrm{R} }-P_{\mathrm{T} }-G_{\mathrm{R} }+\Gamma \\&=-90-25-30+204 \\&=59\doteq 60 \end{align}
計算が面倒臭いななどと思ったものは捨て問にしています。
また、正攻法ではない解き方、説明が含まれている場合があります。理解するに越したことはないが決して理解して解くことを目的としていなく、あくまでも資格試験を突破するための解法ですのでご了承下さい。